Blogブログ粉飾決算はなぜ銀行にバレるのか?「架空在庫」が招く経営破綻のシナリオ
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資金繰りの「本質改善」こそが、利益体質へ生まれ変わる唯一の道
こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
今回は「粉飾」についてお話をしたいと思います。
というのも、先日の資金繰り悩み相談の中で「税理士から粉飾を勧められたのですが、どう思いますか?」というご質問をいただいたのです。
「今期だけは赤字を出せない。数字を少し作って利益を出そう……」
そう考えて実行する粉飾ですが、専門家である税理士から提案されると、社長は「これで銀行に対して体裁は保てる」と安堵し、それが正解のように思えるかもしれません。
しかし、経営の現場に身を置くプロとして、私はあえて断言します。
粉飾をして、銀行や私たちのような専門家にバレていないと思っているのは、社長本人だけです。
実際、私のところに相談に来られた方の決算書を一目見ただけで、どこをどう操作したのかがすぐにわかりました。
そこで今回は、粉飾がすぐに見抜かれる理由と、それが「翌期以降へ及ぼす深刻な後遺症」、そして「資金繰り悪化の直接的な原因」になるという実態について詳しくお話ししていきます。
1. 銀行員は「見て見ぬふり」をしているだけ
多くの経営者は「銀行から何も言われないからバレていない」と勘違いします。
しかし、銀行の審査担当者は数多くの決算書を見てきたプロです。
業界平均との乖離や勘定科目の矛盾、現預金との不整合など。
こうした違和感は、決算書を数期間分並べれば「一目瞭然」です。
銀行が指摘しないのは、「指摘して粉飾を認めさせてしまうと、その瞬間に融資を引き揚げなければならなくなるから」に過ぎません。
事を荒立てたくないので、見て見ぬふりをして、泳がされているだけなのです。
2. 【最重要】粉飾がもたらす2つの致命的リスク
粉飾の手口の中で特に多いのが「在庫の水増し」です。
これは物品販売業の「商品」に限ったことではなく、製造業や建設業、内装工事業などであれば「原材料」や、工程の途中にある「仕掛品(しかかりひん)」も同様です。
そもそも、なぜ在庫を増やすと利益が増えるのでしょうか?
それは「売上原価 = 期首在庫 + 仕入高 - 期末在庫」という計算式があるからです。
売上原価とは経費のことです。
つまり期末の在庫を水増しして、実際よりも金額を多くすれば、その分「売上原価(費用)」が減り、差し引きの利益が膨らむという単純な理屈です。
例えば、本当は「売上原価700=期首在庫100+仕入高800-期末在庫200」だとします。
それを期末在庫を400に水増ししたらどうなるでしょうか?
「売上原価500=期首在庫100+仕入高800-期末在庫400」になります。
本当は売上原価は700にもかかわらず、500に減ります。
売上原価が減るということは経費が減る、ということですから、利益は増えますよね。
これが巷でよく使う粉飾の手口「在庫の水増し」です。
しかしこの数字の操作は、経営を根本から壊す致命的なリスクを招きます。
① 翌期、翌々期へと「重い足かせ」が引き継がれる
今期、利益を出すために水増しした架空在庫は、来期のスタート時に「期首在庫」として引き継がれます。
つまり、来期は始まった瞬間から「本来ないはずの在庫」が売上原価(費用)として重くのしかかります。
前期の嘘をカバーするために、来期はさらに大きな嘘を重ねなければならず、雪だるま式に粉飾額は膨らんでいきます。
一度手を染めると、止めた瞬間に巨額の赤字が露呈するため、一生逃げられない負の連鎖が始まるのです。
② 粉飾そのものが「資金繰り」を直接悪化させる
「利益が出れば資金繰りも良くなる」というのは大きな勘違いで、事実は逆です。
・架空の利益に「本物の税金」を払う
存在しない利益のために血税を払わなければならず、キャッシュはさらに流出します。
・経営判断を狂わせる
嘘の数字を見続けていると、どこで損が出ているのかという「本当の病巣」が見えなくなり、改善の機会を永久に失います。
現に粉飾が常習化している会社の社長は「一体全体、うちは儲かっているのか?それとも赤字が膨らんでいるのか?」とわからなくなるケースがほとんどです。
3. 「専門家」が安易に勧めてくるという危うさ
信じられないかもしれませんが「粉飾のリスク」を十分に説明しないまま、利益の操作を提案してくる税理士も存在します。
「銀行対策のために、少し原材料や仕掛品を積み増しましょうか」
そんな何気ない一言が、会社を壊す引き金になります。
もちろん税理士にしてみれば、会社のことを思っての提案かもしれません。
しかし「粉飾が本当に会社のためになるのか?」については、いつも私は強い疑問を抱きます。
そして、どうしても粉飾を選択せざるを得ない場合は、少なくともリスクをきちんと認識をすること。
また粉飾が将来の資金繰りに及ぼす影響を、しっかり理解した上で意思決定して欲しいと思います。
4. 「資金繰りの改善」は「利益の改善」に直結する
粉飾という「化粧」で誤魔化すのをやめ、自社の「代謝」を良くすることこそが、銀行からも信頼され、かつ潰れない会社を作る唯一の方法です。
実態を直視して資金繰りの「本質改善」に取り組むことは、経営にとって「一石二鳥」のメリットがあります。
なぜなら、本質改善の最たる方法が固定費削減です。
固定費削減は、資金繰りが良くなるだけでなく、利益改善(利益アップ)にもつながるからです。
つまり、資金繰りの本質改善は、そのまま「儲かる体質への転換」に直結しているのです。
まとめ:現実から逃げても、資金繰りは改善しない
バレていないと思って嘘を突き通すために心身やお金をすり減らすのは、もう終わりにしましょう。
ぜひ、そのエネルギーを、資金繰りの本質的な改善に使ってください。
結局のところ、本質改善で体質を変えて、自力でお金を回せるようになれば、そもそも粉飾をしてまで銀行の顔色をうかがう必要なんてなくなるのです。
まずは「実績資金繰り表」で本当の数字、自社のお金の構造を直視することから始めてください。
今日から私と一緒に、「本物の改善」に踏み出してみませんか。
銀行の顔色をうかがう日々を卒業して、自力でお金を回せる経営体質を作る。
その第一歩として、まずは私の『本質改善10日間無料メールセミナー』を読んでみてくださいね。
粉飾に頼らず、本気で会社を再生させたいあなたを応援しています。
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年間にわたり、税理士事務所での実務やコンサルティングを通じて多くの経営者を支援。
これまでに、仕事の枠を越えた出会いも含め、1,000人を超える経営者と真剣に向き合ってきた。
現在は、大好きなゴルフを通じて数多くの経営者と「仕事抜き」の純粋な交流を広げている。
利害関係のない会話の中から、成長する企業の共通点を見出し、自らの知見を常にアップデートし続けるのがライフワーク。
現場の生きた声で「答え合わせ」を繰り返しながら磨き上げた、今の時代に通用する「会社を一生守り抜く仕組み」を伝えるパートナーとして活動中。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
どんなに苦しい状況でも、解釈次第でそれは未来への大きな糧になります。
お金の悩みから解放され、前向きに経営を楽しめる経営者を一人でも増やすことが私の使命です。
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