Blogブログリスケは「時間稼ぎ」に過ぎない!資金繰りを本質改善するための準備と資金繰り予定表の重要性
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こんにちは。資金繰り・本質改善コンサルタントの辻朋子です。
最近、私の元へご相談に来られる経営者の方々と接していて、とても気になっていることがあります。
ご相談の内容が「もはやリスケ(返済猶予)を検討せざるを得ない」という段階まで深刻化しているケースが激増していること。
コロナ禍でのゼロゼロ融資の返済が始まり、いよいよ資金繰りが太刀打ちできなくなっている……。
そんな悲鳴のようなご相談が、私の元へ次々と寄せられています。
正直な気持ちを言ってしまうと…
「もっと早い段階でご相談いただければ、リスケをせずに済む打ち手がいくらでもあったのに…」と、歯がゆい思いをすることがほとんどです。
しかし、なってしまったものは仕方がありません。
今、リスケを考えている、あるいはすでにリスケ中という方に、どうしてもお伝えしなければならない「厳しい、けれど大切なこと」があります。
【借入のリスケは「時間稼ぎ」に過ぎない。本質改善への分かれ道】
多くの方が勘違いされていることがあります。それは…
リスケ(融資のリスケジュール)は資金繰りの「対症療法」であり、「本質改善」ではありません。
私の提唱する「バケツ理論」で例えるなら、リスケは「バケツの底に空いた大きな穴から水が漏れ出しているのを、指で押さえて一時的に止めているだけ」の状態です。
ここで忘れてはならないのは、リスケは「会社を立て直すための手段」であって、「目的」ではないということです。
本来の目的は、あくまで「経営改善」のはず。
指で押さえている間は、確かに水の減少は緩やかになります。
しかし、その指を話せば、また勢いよく水は漏れ出しますよね。
リスケの本質は、ハッキリ言ってしまうと「倒産までの時間を稼いでいる状態」に過ぎません。
この「指で押さえている貴重な時間(手段)」を使って、バケツの穴そのものを塞ぎ、経営を立て直すこと(目的)に全力を注がなければならないのです。
1. 「利益が出ているから大丈夫」という勘違い
実は「利益は出ているのに、リスケせざるを得ない」という会社は少なくありません。
なぜそんなことが起きるのか?
それは、「利益」と「お金(キャッシュ)」は一致しないからです。
リスケが必要になるのは「利益」の問題ではなく、あくまで「お金」が回らなくなるという問題。
一般的に、会社の返済能力を測る指標として「当期純利益 + 減価償却費」という計算式がよく使われます。
確かに一つの目安にはなりますが、これだけでリスケ後の「返済額」を決めてしまうのは非常に危険です。
帳簿上でいくら利益が出ていても、売掛金の回収が遅れたり、在庫が積み上がったりすれば、手元のバケツからは水(現金)が消えていきます。
「計算上の返済能力」と、「現実の支払能力」は別物なのです。
2. 未来図を描くための「資金繰り予定表」が絶対不可欠
「返済額をいくらまで下げれば、うちは再生できるのか?」
この答えを出す唯一の方法は、計算式だけでなく「資金繰り予定表」を作って「お金の動き」を確認することです。
通帳を見て一喜一憂する「どんぶり勘定」では、再建の未来図は描けません。
・利益は出ているはずなのに、手元に現金が残らないのはなぜか?
・リスケで返済をいくらに設定すれば、資金ショートを回避しながら、事業を継続できるのか?
・中途半端な減額ではなく、いっそ「返済ゼロ」にしなければ立ち行かないのではないか?
これらを数字で可視化して初めて、金融機関に対しても「これだけの期間、これだけ返済を止めてくれれば、これだけの利益を出して立て直せる」という説得力のある交渉が可能になります。
3. リスケの成否は「準備が8割」
リスケをして、再び「正常」な状態に持ち込めるかどうか。
それは、金融機関に話を書き持っていく前の「準備」と「シミュレーション」で、ほぼ決まってしまいます。
「リスケの成否は、準備が8割」と言っても、決して過言ではありません。
なんの根拠もなく「とりあえず返済を減らしてください」とお願いするのか。
それとも、緻密な資金繰り予定表を元に「これだけの経営改善をするために、この期間、この返済額にしてほしい」とロジカルに提案するのか。
この差が、銀行からの信頼、ひいては会社の再建率に決定的な差を生むのです。
まとめ:手遅れになる前に、数字で未来を直視する
もし今、あなたが「返済が苦しい、リスケしかないかも……」と一人で悩んでいるのなら、まずは現状の数字をすべて洗い出し、資金繰り予定表を作成することから始めてください。
そして、もし「リスケが必要かも」という不安が少しでもあるのなら、できるだけ早く専門家に相談してください。
多くの現場を見てきたからこそ断言できますが、あと一歩早く動くだけで、リスケというカードを切らずに済む選択肢が、実はたくさん残されているからです。
早ければ早いほど、あなたの会社を守るための「打ち手」は多くなります。
【リスケを「事業再生」のチャンスに変えるために】
最後にお伝えしたいのは、リスケは決して「終わりの始まり」ではないということです。
むしろ、これまでの「どんぶり経営」や「対症療法」を卒業し、お金が残る強い会社へと生まれ変わるための「真の出発点」です。
正しく現状を把握し、緻密なシミュレーションを行い、金融機関と誠実に向き合う。
この「準備」さえしっかり行えば、リスケは会社を立て直し、正常な状態を取り戻すための「最強の再起手段」へと変わります。
今は先が見えず、苦しいかもしれません。
しかし、バケツの穴を一つひとつ丁寧に塞ぎ、お金が残る仕組みを再構築すれば、必ず事業存続の道筋は見えてきます。
リスケを単なる時間稼ぎで終わらせるのではなく、会社が再び力強く歩み出すための「再出発の合図」にしていきましょう。
「千里の道も一歩より」
会社を正常に戻すために、一歩一歩着実に、前に前に進んでいきましょうね。
本気で会社を立て直したいと願う経営者に対して、私は常に全力で伴走する覚悟で向き合っています。
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年間にわたり、税理士事務所の実務やコンサルティング、そして大好きなゴルフを通じて交流を深め、1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に真剣に向き合ってきた現場のエキスパート。
39歳で独立以来、「理論上の正論」ではなく「どうすれば本当にお金が残るのか?」という現場の真実を一貫して追求。
独自の「お金が残るバケツ理論」に基づいた本質改善メソッドは、YouTubeを通じて全国の経営者から「これこそが知りたかったことだ」と圧倒的な支持を得ている。
現場の「答え合わせ」を繰り返しながら磨き上げた、今の時代に通用する「会社を一生守り抜く仕組み」を伝えるパートナーとして活動中。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
お金の悩みから解放され、前向きに経営を楽しめる経営者を一人でも増やすことが私の使命。
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