Blogブログ【経営の基本】なぜ経費を「固定費」と「変動費」に分けるべきなのか?
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こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
「今月は売上が上がったのに、思ったより利益が残っていない…」
「来期の目標利益を達成するためには、あといくら売上げればいいのだろう?」
「赤字から脱却するには、売上があといくら必要なんだろう?」
経営を行っていく中で、このような悩みに直面したことはありませんか?
売上高や通帳の残高だけに一喜一憂していると、会社の本当の姿は見えてきません。
経営者が真っ先に知っておかなければならない「自社の数字」。
それこそが、経費を「固定費」と「変動費」に分解して把握することで見えてくる、自社の「収益構造」です。
経費を、固定費と変動費に分けることを「固変分解(こへんぶんかい)」と言います。
今回は、なぜ経費をこの2つに分けて把握することが必要なのか、その決定的な理由を具体的な数字を交えてわかりやすく解説します!
そもそも「固定費」と「変動費」とは?
まずは、自社の収益構造を形作る2つの費用の違いを簡単におさらいしておきましょう。
固定費:売上の増減に関係なく、毎月「固定」でかかる費用
(例:オフィスの家賃、社員の基本給、機材のリース料、水道光熱費の基本料金など)
変動費:売上の増減に「比例」して前後する費用
(例:商品の仕入れ代、材料費、外注費、販売手数料、発送運賃など)
経営者が自社の数字をコントロールするためには、まず経費をこの2つに分けることから始まります。
経費を分けないとどうなる?
【4つの致命的なデメリット】
「経費は経費で一括りにしておけばいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、これらを混ぜたまま「どんぶり勘定」にしておくと、経営において次のような重大な問題が発生します。
1. 正確な「利益計画」が立てられない
売上が2倍になったからといって、経費も2倍になるわけではありません。
固定費と変動費を分けていないと、「売上が増えたら利益がいくら残るのか」の予測がつかず、根拠のない利益計画になってしまいます。
2. 目標利益に対する「必要な売上高」が計算できない
「来期は利益を500万円出したい!」と考えたとき、そのためには一体いくらの売上が必要なのか。
これを逆算するためには、売上に比例して増える変動費の割合(変動費率)を把握している必要があります。
3. 「損益分岐点売上高」が計算できない
損益分岐点とは、「赤字にも黒字にもならない、トントンになる売上ライン」のことです。
これを知るためには、変動費率が何%なのか?、また固定費がいくらかかっているかの把握が絶対に欠かせません。
これがわからないと、「最低限、いくら売れば会社が安全圏に入るのか」という防衛ラインが立たなくなります。
4. 正確な「資金繰り表」が作れない
売上がなくても容赦なく出ていく「固定費」と、売上を追うごとに膨らむ「変動費」を区別できていないと、数ヶ月先に会社の現金がショートするリスク(黒字倒産など)を予見できなくなります。
簡単な数字を使って解説しますね。
例えば、5月のデータが、
売上高:100万円
かかった経費の合計:80万円
利益:20万円
ここから「来月は利益を20万円から2倍の『40万円』に増やしたい!」という目標を立てたとします。
もし経費を分けていないと、「利益を2倍にしたいから、売上も2倍の200万円必要かな?」と勘違いしてしまいます。
ここで、経費80万円を、固定費60万円、変動費20万円に分解してみましょう。
ということは、売上高に対する変動費の割合である、変動費率は20%になります。
変動費率の計算式は「変動費20万円÷売上高100万円×100=20% (0.2)」
そして目標利益40万円を達成するためには、売上はいくら必要でしょうか?
計算式は「必要売上高=(固定費+目標利益)÷(1-変動費率)」です。
今回の数字を当てはめてみると…
(固定費60万円+目標利益40万円)÷(1-変動費率0.2)=必要売上高125万円
利益を40万円にするために必要な売上高は、125万円ということになります。
つまり、利益を2倍にしたいからといって、売上高も2倍必要なわけではありません。
売上高を100万円から2倍の200万円まで上げなくても、125万円の売上を達成すれば、目標の利益40万円が実現できることがわかります。
つぎに、利益を「0円」にする場合に必要な売上高「損益分岐点売上高」を計算してみます。
(固定費60万円+利益0円)÷(1-変動費率0.2)=75万円
売上高が75万円あれば、利益は出ないけれど、赤字にもならない、というボーダーラインということになります。
【まとめ】
経費は、固定費と変動費に分けて、自社の「固定費」と「変動費率」を把握しましょう。
そうすれば、目標の利益に対して、必要な売上高が計算できるようになります。
まずは、経費を「固定費」と「変動費」にざっくりと色分けすることから始めてみませんか?
そうすれば「目標利益」や「必要売上高」のシミュレーションが、カンタンにできるようになります。
ぜひ「固変分解」にチャレンジしてみてくださいね!
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供中。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
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