Blogブログ【誰でも簡単】自社の「返済能力」を5分で計算する方法|借り直しループから脱出する本質改善
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こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
「毎月しっかり返済を続けているから、うちはまだ大丈夫」 そう思っていませんか?
実は、「返済できていること」と「返済能力があること」はまったく別物です。
もし、自社の正しい返済能力を超えて返済を続けているとしたら、それは稼いだお金で返済しているのではなく、過去に蓄えた預金残高を削りながら返済しているだけかもしれません。
今回は、誰でも決算書(損益計算書)を見ながら5分でできる「返済能力のカンタン計算式」をご紹介します。
まずは自社の現実を正しく把握してみましょう。
5分でできる!返済能力の簡単な計算方法
返済能力を出す計算式にはいくつか種類がありますが、誰でも簡単に自社の実力を確認できるのが次の計算式です。
【1年間の返済能力】 経常利益 + 減価償却費 - 法人税等
※まずは直近の決算書(損益計算書:P/L)を手元に用意し、数字を当てはめてみてください。
なぜ「当期純利益」ではなく「経常利益」で計算するのか?
「最終的な利益である『当期純利益』で計算したほうがいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、これには明確な理由があります。
当期純利益には、不動産の売却益や各種助成金といった「その年だけ発生した一時的な利益(特別利益)」が含まれてしまうことがあるからです。
分かりやすい例が、コロナ禍の時に支給された各種補助金や協力金です。
当時は「補助金が入ったおかげで決算書上は利益(当期純利益)が出た」という会社が多くありました。
しかし、これはあくまで一時的な補填であり、「本業で自力で稼いだ利益」ではありません。
もしこの一時的な利益も含めた「当期純利益」で計算してしまうと、「うちには十分な返済能力がある」と大きな勘違いをしてしまいます。
返済は毎年続いていくものだからこそ、一発屋の臨時収入を除いた「会社が毎年経常的に稼ぎ出せる力=経常利益」をベースに計算することが、自社の本当の返済能力を見極める鉄則です。
【具体例】簡単な数字でシミュレーションしてみよう
例えば、次のような決算内容の会社があったとします。(分かりやすく税率は約30%で計算します)
・経常利益:1,000万円
・減価償却費:200万円
・法人税等:300万円(利益1,000万円×30%)
この会社の「1年間の返済能力」を計算してみましょう。
【返済能力の計算】 経常利益(1,000万円) + 減価償却費(200万円) - 税金(300万円) = 【返済能力:900万円】
この会社が自力で1年間に返済できる限界の金額は「900万円」です。
ここで「年間返済額」と比較!
もし、この会社の年間の借入返済額(元本の返済合計)が……
・年700万円の返済なら ➔ 〇 健全!(900万円の範囲内なので自力で返せている)
・年1,200万円の返済なら ➔ ✕ 危険!(300万円分、返済能力オーバー)
返済能力を超えている会社で起きている「恐ろしい現実」
もし計算結果が後者のように「返済能力を超えている」場合、知っておかなければならない厳しい現実があります。
それは、「今月の返済は、事業で稼いだお金ではなく、預金残高を切り崩して払っている」という事実です。
この状態に陥っている会社は、次のような悪循環をたどります。
1.返済能力以上の返済を続ける
2.手元の預金残高がどんどん減っていく
3.資金が足りなくなるため、銀行から追加で借り入れる(借り直し)
4.借入総額が増え、毎月の返済額がさらに膨らむ
5.再び残高が減り、また借りる……
これは、穴の開いたバケツに必死で水を注ぎ足しながら、減った分を借り入れで補っている状態です。
そして、最も恐ろしいのは「銀行から次の融資を断られた瞬間、一気にアウト(資金ショート)になる」ということです。
借りられるうちは表面化しませんが、融資のストップがそのまま会社の終わりを意味することになります。
重要:ただし、これはあくまで「理論上の話」です
ここまで決算書(損益計算書)の数字を使った計算方法をお伝えしてきましたが、最後に一番重要なことをお伝えします。
今回ご紹介した計算でわかるのは、あくまで損益計算書上の「理論上の返済能力」にすぎません。
なぜなら、現実の返済は「利益」ではなく「お金(現金・預金)」で払うからです。
・売上は立っているけれど、売掛金の回収が遅れている
・在庫(棚卸資産)を抱えすぎて、お金が商品に化けてしまっている
こういった要因があると、理論上の返済能力と、手元にある現実のお金には必ず「ズレ」が生じます。
本当の返済能力は「実績資金繰り表」で確認する!
ですから、理論上の計算で自社の状況に危機感を持ったら、必ず次のステップとして
「実績資金繰り表(資金繰り表の実績欄)」で現実のお金の流れを確認してください。
現実の「お金の動き」を見ない限り、本当の返済能力も、どこでお金が消えているのかという原因も掴むことはできません。
まとめ:借り直しループを抜け出し、今すぐ「本質改善」に取り組もう
「借りては返す」を繰り返していると、麻痺してしまいがちですが、借り入れはあくまで一時的な延命措置にすぎません。
もし、自社の返済額が返済能力を超えていると気づいたなら、今すぐ対症療法から抜け出し、資金繰りの「本質改善」に取り組む必要があります。
・決算書から理論上の返済能力を計算する
・実績資金繰り表を作成し、現実のお金の流れ(ズレ)を把握する
・お金が残らない根本原因を特定し、構造改革を進める
「利益で返す」のではなく「お金で返す」という現実に目を向け、正しい資金繰り管理で強い会社を作っていきましょう!
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
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