Blogブログ【資金繰り表の正しい使い方】予定と実績を使い分けて「お金が残る会社」にする基本のキ
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こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
「毎月、資金繰り表を作っているのに、いっかつにお金が増えない……」
「銀行に提出するためだけに、なんとなく資金繰り予定表を埋めている」
経営者の皆さん、そんなお悩みはありませんか?
実は、多くの会社が資金繰り表の「本当の使い方」を知らないために、せっかくの時間と労力を無駄にしています。
資金繰り表は、ただの「未来の予測ツール」ではありません。
今回は、資金繰りを本質的に改善するための「正しい使い方」と、
絶対に欠かせない「基本のキ」についてわかりやすく解説します。
資金繰り表には「予定」と「実績」の2つの役割がある
まず、大前提として知っておいていただきたいことがあります。
正しい資金繰り表には、必ず「予定(予測)」と「実績」という、2つの欄(軸)が存在します。
この2つは、それぞれ「作成する目的」がまったく異なります。
まず「予定」の主な目的は、「資金ショートを未然に防ぐこと」にあります。
つまり、「未来」の安全確認をするためのものです。
一方で「実績」の主な目的は、「お金の構造を把握し、課題を見つけること」にあります。
こちらは、いわば「過去から現在」にかけた会社の健康診断を行うためのものです。
多くの会社が「資金繰り表」と聞いてイメージするのは、前者の「予定」だけではないでしょうか。
しかし、それだけでは資金繰りの「本質的な改善」には至りません。それぞれの役割を、さらに詳しく話していきます。
1.「予定」の目的:資金ショートを未然に防ぐ
「予定」の欄は、数ヶ月先に「いつ、いくらのお金が入ってきて、いくら出ていくのか」を予測して書き込むものです。
最大の目的は、「手元資金がショートするリスク(マイナスになる時期)を事前に察知し、手を打つこと」。
あらかじめ未来の予測を立てておくことで、「そもそも資金調達(融資など)が必要なのかどうか」を冷静に
判断できるようになります。
もし融資が必要だとわかれば、ギリギリになって慌てることなく、「いつまでに、いくら調達すべきか」という
最適なタイミングを逆算して検討することが可能です。
さらに重要なのは、そこから逆算して、融資を成功に導くための「具体的な準備と交渉のスケジュール」
を組めることです。
① 必要書類(試算表など)を先回りして準備する
融資の打診にあたって、銀行から「直近の試算表を見せてください」と言われるのは確実です。
予定表を見て「○月頃に資金が必要になりそうだ」とわかっていれば、そのアプローチ時期に向けて、
最新の試算表(できれば2ヶ月以内などの新しいもの)をあらかじめ手元に用意しておくことができます。
銀行から求められてから慌てて書類を作っていては、それだけで融資実行が数週間遅れてしまいます。
この「先回りのスピード感」が銀行からの信用を生むのです。
② 融資が引き出しやすい「3月・9月」を狙い撃ちする
多くの金融機関には、中間決算である「9月」や本決算である「3月」など、融資のノルマを達成するために
「貸しやすい(融資に積極的になる)時期」が存在します。資金繰り予定表があれば、
「本来は5月に資金が必要だけど、銀行が融資に積極的な3月の決算期に合わせて、前倒しで相談に行こう」 といった、
銀行側の都合も踏まえた有利な交渉戦略を立てることが可能になります。
融資の審査には、どうしても一定の時間がかかります。手元資金がカツカツになってから銀行に駆け込んでも、
審査を通すのは難しくなります。
「この時期に資金が必要になるから、その数ヶ月前の銀行の決算期(3月・9月)を狙って、
直近の試算表を持って相談に行こう」
このように、必要書類を整えて、最も有利なタイミングで金融機関へ打診(相談)を開始できることこそが、
予定表をつける最大のメリットなのです。
2.「実績」の目的:お金の構造を把握し、本質的な課題を見つける
一方で、多くの会社が書き落としている、あるいは軽視しているのが「実績」の欄です。
実績とは、実際に動いた「事実のお金」を1行ずつ記録していく作業です。
実績を記録する目的は、主に次の2つにあります。
①「予定と実績」のズレを確認し、予測を「組み直す」
「予定では今月200万円残るはずだったのに、なぜか50万円しか残っていない……」
の「なぜ?」を突き止めるために実績が必要です。
ここで最も大切なのは、もし「悪い方(お金が残らない方向)」にズレていた場合、
そこから先の未来の資金繰り予定を「即座に組み直す(修正する)」ことです。
1ヶ月のズレを放置すると、2ヶ月後、3ヶ月後の予定もすべて狂ってしまい、気づいた時には手遅れになります。
実績を確認し、悪いズレがあればすぐに先の予定表をアップデートして、新たな資金ショートの危険がないかを再評価する。
この軌道修正のサイクルこそが、資金繰り表を機能させるカギです。
② 会社のお金の「構造」をあぶり出す
実は、ここが最も重要です。
実績を正しく記録していくと、「我が社は、どこからお金が入ってきて、何にいくら消えているのか」という
リアルな「お金の通り道(構造)」が見えてきます。
実績を出すことで、会社が次のどちらの「構造」になっているのかが、一瞬で判定できます。
・「収入 > 支出」(お金がしっかり手元に残る、健康な状態)
・「支出 > 収入」(動けば動くほどお金が減っていく、不健全な状態)
実績を確認することは、会社が「収入 > 支出」の健全な状態をキープできているか、それとも「支出 > 収入」という
異常事態(資金流出)が起きていないかを厳しくチェックし、根本原因を突き止めるための作業なのです。
なぜ「予定」だけでは資金繰りが改善しないのか?
多くの会社は「予定(予測)」しか記載していません。
しかし、予定だけを見ていても、資金繰りは本質的には改善しません。
なぜなら、実際のお金の動き(構造)がわからないと、「どこを、どれくらい改善すればいいか」の
打ち手がわからないからです。
例えば、「今月は資金が足りないから、とりあえず銀行から借り入れをして補填しよう」というのは、
ただの「対症療法」に過ぎません。
・仕入の支払いサイクルが早すぎるのか?
・売掛金の回収が遅れているのか?
・それとも、そもそも「本業の収支」がマイナスなのか?
・あるいは、本業はプラスだけど、そのプラスの範囲内では「借入金の返済」が賄えていないのか?
こうした「資金繰りが苦しくなっている本当の原因(バケツに空いた穴)」は、「実績」を積み重ねて
お金の構造を分析しない限り、絶対に特定できないのです。
もし会社が「支出 > 収入」の不健全な構造に陥っているのなら、その原因を特定して手を打たなければ、
いくら銀行から融資を受けても、またすぐに資金不足に陥るという悪状況から抜け出せなくなってしまいます。
まとめ:まずは「実績」を記録することから始めよう!
資金繰り表の正しい使い方、それは「予定」で未来の危険を察知し、「実績」で現在のお金の構造を丸裸にすることです。
もし、あなたの会社の資金繰り表に「実績」を書き込む欄がないのであれば、
まずは実績を正しく記録することから始めてみてください。
「どこを直せば、会社のキャッシュが増えるのか」
その答えは、すべて「実績を書き込んだ資金繰り表(実績欄)」の中に隠されています。
小手先の資金調達に頼るのをやめ、お金の構造を根本から見直す「本質的な資金繰り改善」へ
一歩を踏み出してみませんか?
「うちの会社のお金の構造を一度しっかり整理したい」という方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」
資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、
強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、
絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
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