Blogブログその資金繰り表、ただの「残高予測」になっていませんか?本質的な経営改善に不可欠な正しい雛形と3つの収支分類

2026/07/20 (月)
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こんにちは。 資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。

これまで私は、35年以上にわたって数多くの中小企業の資金繰り表を拝見してきました。

しかし、そのほとんどが「収入」と「支出」がただ縦に並んでいるだけで、

「経常収支」「経常外収支」「財務収支」に正しく分類されていないのが現状です。

結論からお伝えすると、単に「来月の資金ショート(残高不足)を防ぐ」という目的だけであれば、

どんぶり勘定に近い収支表でも事足りるかもしれません。

しかし、「なぜお金が残らないのか」というお金の構造を明確にし、

会社を根本から良くする「本質的なキャッシュフロー改善」を目指すのであれば、

このカテゴリー分け(収支別の分類)がされていない資金繰り表は、まったく役に立ちません。

今回は、本当に経営に役立つ「正しい資金繰り表の雛形(構造)」について、シンプルに分かりやすく解説します。

 

 

税理士の使い方、

1.多くの資金繰り表に足りない「3つの収支分類」とは? 

正しい資金繰り表の雛形とは、「会社に入ってくるすべてのお金」と「出ていくすべてのお金」を、

漏れなく以下の3大カテゴリーに分けて記録し、把握できるフォーマットのことです。

これら3つが明確に区別されていて初めて、会社の「お金の通り道の構造」が視覚化されます。

 

① 経常収支(本業のキャッシュフロー) 

・入るお金: 売掛金の回収、現金売上 など

・出るお金: 仕入代金の支払い、人件費、家賃、外注費、その他諸経費 など

本業の営業活動によって、いくらお金を生み出せているかを表す、すべての基本となる指標です。

 

② 経常外収支(本業以外の突発的なキャッシュフロー)  

・入るお金: 資産の売却代金、補助金・助成金の入金 など

・出るお金: PCや車両などの設備投資、税金の支払い、事故やトラブルによる突発的な支出 など

毎月は発生しないけれど、経営を続ける上で発生するスポット的な収支です。

 

③ 財務収支(資金調達と返済のキャッシュフロー)  

・入るお金: 銀行からの新規借入金 など

・出るお金: 銀行への元金返済 など

銀行とのやり取りや、資金不足をどう補填したかを表すカテゴリーです。

 

2.正しい雛形には「実績を記録する欄」が不可欠です 

もう一つ、非常に多くの中小企業で見落とされているポイントがあります。

それは、多くの会社が使っている資金繰り表が「予定(予測)欄」だけになっているという点です。

「来月の支払いはこれくらいで、残高はこうなる予定」という予測だけの表は、

単なる「資金ショートの予防策」でしかありません。

そして何より、実績を記録する欄がない資金繰り表は、「予定を立てたら立てっぱなし」になってしまいます。

予定を立てた瞬間は安心するかもしれませんが、実際のビジネスは予定通りにいかないことの連続です。

「実績」を記録して答え合わせをしなければ、予定と実際の動きにどんなズレがあったのか、

なぜ予定通りにお金が残らなかったのかを振り返ることができません。

これでは、毎月ただ「今月の残高はセーフだった」「今月はギリギリだった」と一喜一憂するだけで、

いつまで経っても本質的な改善はできません。

「予定」を立てっぱなしにせず、すべてのお金の入りと出を3つのカテゴリーに分けて実際に「実績」を記録する。

この仕組みがあって初めて、お金が残らない本当の原因を突き止め、次の一手を打つことができるのです。

 

3.カテゴリー別に分けないと、なぜ「本質的な改善」ができないのか? 

「収入支出」を確認するだけの資金繰り表でも、来月の残高がプラスかマイナスかはわかります。

しかし、それでは「どこが問題で、具体的にいくら不足しているのか」という原因究明ができません。

資金繰り表をこの3つのカテゴリーに分ける一番の理由は、

「すべてのお金の出入りを、その性質別に正確に仕分けして把握するため」です。

もし分かれていないと、

・「本業で稼いだお金(経常)」なのか

・「銀行から借りてきたお金(財務)」なのか

・「設備を売って手に入った一時的なお金(経常外)」なのか がすべてごちゃ混ぜになってしまいます。

これでは、たとえ手元の預金残高が増えていたとしても、それが「本業が好調だから」なのか

「借金が増えただけ」なのかの区別すらつきません。

すべての入出金を漏れなく3つの箱に分類して、しっかりと実績を記録していくこと。

これこそが、会社の財務を「本質的に改善」するための絶対条件なのです。

 

まとめ:あなたの会社の資金繰り表をチェックしてみましょう! 

資金繰り表は、単にお金が足りるかどうかをチェックする道具ではありません。

会社の財務体質を正しく見極めるための「健康診断書」です。

まずは、いまご自身が使っている資金繰り表を開いてみてください。

・すべてのお金の入りと出が、3つのカテゴリーにしっかりと分けられていますか?

・ただの予定表ではなく、実際の動きを記録する「実績欄」がありますか?

もし、ただの「収入・支出」の一本道になっていたり、予定だけの表になっているなら、

まずは正しい雛形へアップデートすることから始めていきましょう。

それだけで、これまで見えなかった「会社のお金のクセ」が少しずつ見えてくるはずです。

 

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【著者プロフィール】

辻 朋子(つじ ともこ)

株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント

35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。

売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。

そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」

資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。

そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、

強い基盤をつくることをアドバイスしています。

「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。

経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、

絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。

好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。

数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。

【孤独な決断に、確信を】

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