Blogブログ「今月も黒字ですよ」と言われたのに、なぜか通帳の残高が減っている…そのモヤモヤの正体
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こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
「社長、今月も順調に黒字が出ていますよ!」
税理士に毎月の試算表を見せられて、そう言われたとき。
心の中で「……あれ? おかしくない?」って思ったこと、ありませんか?
売上もちゃんと立っている。 利益だって出ている。
なのに、通帳を開くと手元のお金はギリギリ。
「どこかで何か計算が狂ってるのかな…」
「いや、もっと売上を伸ばせばお金も後からついてくるはず!」
そうやって自分に言い聞かせて、また現場でアクセルを思い切り踏み込む。
これ、実は「攻め気質」のある社長ほど、本当によく陥ってしまうことなのです。
でも、安心してくださいね。
社長が無駄遣いをしたわけでも、税理士が計算を間違えたわけでもありません。
そもそも「損益計算書(PL)に出る利益」と「手元に残る現金」は、仕組み上ぜったいに一致しないものだからです。
じゃあ、なんでそんなズレが起きるのか?
理由は大きく分けて4つあります。
1.売上と入金の「タイミング」がズレている
攻め社長は、大きな受注が決まった瞬間に「よっしゃ!」となりますよね。
でも、損益計算書の上で「売上」になったからといって、その瞬間に口座にお金が入ってくるわけではありません。
実際にお金が振り込まれるのは、1ヶ月後だったり、2ヶ月後だったりします。
一方で、仕入れや外注費、社員のお給料なんかは「先」に出ていきますよね。
つまり、事業が急成長して売上が伸びれば伸びるほど、先に出ていくお金が増えて、一時的に通帳の現金がゴリゴリ削られていくのです。
2.借入の「元金返済」は、損益計算書に出てこない
銀行から融資を受けて事業を大きくしてきた社長が、一番見落としやすいのがこれです。
毎月、口座から自動で引き落とされている銀行への返済金。
実は、あのうち「元金の返済」は、どれだけ払っても損益計算書(経費)には載りません。
経費になるのは「利息」だけなのです。
ここ、めちゃくちゃ重要です。
元金返済は経費にならないので、税金は「決算書(書類)の上の利益」に対してガッツリ引かれます。
わかりやすく言うと、こういう状態が起きるのです。
・本業で残った利益: 1,000万円
・年間で返した元金: 1,500万円
手元の感覚としては「500万円足りない(マイナス)」ですよね?
ポイントは、税金はここからさらに引かれるということです。
税務署は「1,000万円儲かったね!じゃあ税金300万円ちょうだい!」と納税を求めてくるわけです。
結果、手元に残る現金はマイナス800万円。
「利益以上に元金を返している会社」は、黒字を出して税金を払えば払うほど、手元のお金がどんどん削られていく構造になっているのです。
3.税金は「忘れた頃に」「現金で」やってくる
黒字が出れば、当たり前ですが法人税などの税金がかかります。
でも税金って、利益が出たその瞬間に引かれるわけじゃなくて、決算のあとでドカンと「現金」で払うことになりますよね。
「黒字だから大丈夫!」と手元のお金を次の投資や仕入れに使っちゃっていると、税理士から納付書を渡されたときには「払う現金がない…!」なんてことになってしまいます。
4.出た利益が「在庫」や「モノ」に化けている
利益は出ているのに、そのお金が姿を変えてしまっているケースです。
・先に買い込んだ「在庫」
・勢いで買った「設備やシステム」
これらを買うと、当然手元の現金は減りますよね。
でも、すぐには損益計算書の「経費」にならないので、紙の上では「利益が残っている」ことになってしまうのです。
「利益は出ているけれど、その実体は倉庫の在庫や設備に化けている」という状態ですね。
攻めていくためにも、まずは「過去の実績」を直視すること
税理士は「過去の数字を正しく計算して、税金を納めるためのプロ」です。
だから、「明日動かせる現金が本当はいくらあって、あといくらまで安全に攻められるか」までは、教えてくれません。
前を向いて事業を伸ばしていくこと自体は、素晴らしいことです。
でも、損益計算書(PL)の黒字だけを見て「よし、いける!」と突き進むのは、やっぱりちょっと怖いですよね。
だからこそ、見てほしいのが「直近半年から1年の、過去の実績資金繰り」なのです。
未来の甘い予測ではなくて、過去に「実際にいくら入って、どこにいくら出ていったのか」という生の事実を一枚の表に並べてみる。
・本業で稼ぎ出したお金で、税金や日々の支払いはもちろん、銀行への借入返済まで全てきちんと賄えているか?
・自社のバケツのどこに穴が開いていて、いくら漏れているのか?
これらを「実績」として正しく把握できてはじめて、「よし、今のうちの構造なら、ここまで安全に次の投資へ攻め込める!」という本当の確信が生まれます。
「黒字なのに、なんでかお金が残らないんだよな…」
もしそう感じたら、一回立ち止まって、自社の過去の実績資金繰り表をじっくり眺めてみてください。
手元の「お金の本当の流れ」が、驚くほどくっきり見えてきますよ。
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」
資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、
強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、
絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
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