Blogブログ現金出納帳をつけていない会社は資金繰り難に陥る!「社長貸付金」のリスクと経営の原理原則
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こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
「現金出納帳をつけていない…」それ、経営の基本(原理原則)から外れています!
会社経営において「お金の流れを正しく把握する」ことは、事業を継続・発展させるための原理原則です。
私の「資金繰りメールサポート」でも会員の方には「まずは現金出納帳をしっかりつけましょう」とアドバイスを行っています。
しかし、実際の現場では「日々の業務が忙しい」「決算のときに税理士になんとかしてもらっている」といった理由から、現金出納帳をつけていない会社をたまにお見かけします。
しかも驚くことに、店舗経営や飲食店、サロンなど、日々現金が動く「現金商売」を行っている企業でさえ、帳簿をつけていないケースがあるのです。
そして、多くの経営現場を見てきて強く実感していることがあります。
それは、「現金出納帳をつけていない(正しく管理していない)会社は、高い確率で資金繰り難に陥りやすい」という明確な傾向があるということです。
今回は、最近のサポート事例も交えながら、現金出納帳をつける重要性と、つけないこと(あるいは「正しくつけていないこと」)で生じる恐ろしいリスクや資金繰りへの影響について解説します。
【実録事例】入金・出金は書いてあるけれど…「なんちゃって現金出納帳」の落とし穴
実は最近、私のメールサポートに入会されたある経営者の方も、現金商売をされているにもかかわらず、正しい現金出納帳をつけていらっしゃいませんでした。
詳しくお話を伺うと、まったく何も書いていないわけではなく、いわば「なんちゃって現金出納帳」をつけていらしたのです。
その内容は、「いつ・いくら入ったか」「いつ・いくら使ったか」という入出金の履歴こそ書かれているものの、「残高」が書かれていないものでした。
ここで一度考えてみてください。
出納帳に「残高」が書かれていないということは、日々の「実際の現金有り高(レジや金庫の中身)」と「帳簿上の残高」が合っているかどうかを確認していない、ということになります。
これでは、いくら入出金をメモしていても、現金出納帳としての役割をまったく果たしていません。
そこで私から「なぜ残高まで合わせる必要があるのか」「つけないとどんな致命的なデメリットがあるのか」をお伝えしたところ、深く納得していただき、まさに今月から正しい現金出納帳の運用をスタートされました。
なぜ「残高まで合わせる現金出納帳」が原理原則なのか?
銀行口座の預金であれば、通帳を開けばいつ・いくら出入りし、いま残高がいくらあるかが自動的に記録されます。
しかし、「手元にある現金」は、自分たちが意識して記録し、実数と突き合わせない限り、過去の履歴も正しさもすべて消えてしまうのです。
経営における原理原則とは、「実態を正しく把握し、コントロールすること」。
手元にあるお金の動きと残高をリアルタイムで把握できていない状態は、「目隠しをして車を運転している」のと変わりません。
「今日、手元にいくらあって、何にいくら使い、金庫の現金とピッタリ合っているか」を毎日確認する作業は、資金管理のスタートラインなのです。
現金出納帳をつけない会社が「資金繰り難」に陥る理由と5つのリスク
現金出納帳をつけなかったり、残高をうやむやにしている会社が資金繰り難に陥りやすいのには、明確な理由と恐ろしいリスクがあるからです。
1.リアルタイムな「手元資金」が見えず、資金ショートを起こす
現金管理がズサンな会社は、「いま手元に自由に使えるお金がいくらあるのか」を正確に把握できていません。
「帳簿やレジ上は利益が出ているはずなのに、なぜか支払い現金が足りない」という事態に直面し、仕入れや給料の支払いが迫った段階で初めて資金不足に気づくため、致命的な資金ショートを引き起こしやすくなります。
2.「社長貸付金」が膨らみ、銀行融資で壊滅的に不利になる
現金出納帳をつけていないと、会計処理は「残っている領収書」だけを頼りに行うことになります。
例えば、事業用に銀行から50万円の現金を引き出したとします。
後から領収書を集めてみたら40万円分しかなかった場合、差額の10万円は「使い道のわからないお金(使途不明金)」になってしまいます。
会計上、この行き場のない10万円は「社長(役員)個人へ貸し付けたお金=社長貸付金(役員貸付金)」として処理せざるを得なくなります。
これが積み重なると、貸借対照表(バランスシート)に「社長貸付金」がどんどん残っていきます。
金融機関(銀行)が融資審査で最も嫌うのがこの「社長貸付金」です。
銀行からは「会社の金を私的に使い込んでいるのではないか」「回収できる見込みがないお金だ」と捉えられ、いざという時の融資(資金調達)が受けられなくなってしまいます。
3.従業員による「使い込み」が発生・放置されるリスク
日々の現金管理が甘い会社では、従業員による横領や使い込みが発生しやすくなります。
「あるべき残高」と「実際の現金有り高」を毎日突き合わせていれば、わずかなズレにもすぐに気づけます。
しかし、帳簿をつけていなかったり残高を追っていないと、現金が減っていても「何に使ったっけ?」で終わってしまい、使い込まれていても全く気づかない状態に陥ります。
会社のお金が外部・内部からどんどん漏れていけば、資金繰りが悪化するのは当然です。
4.税務調査で「売上除外」や「私的流用」を強く疑われる
税務調査において、特に現金商売の事業者が厳しくチェックされるのが「手元現金の管理状態」です。
現金出納帳がない、あるいは残高が合っていない場合、税務署から「意図的に売上を抜いて現金で隠しているのではないか(売上除外)」「プライベートの買い物を会社の金で支払っているのではないか」と強く疑われます。
青色申告の承認取り消しや、重加算税などの重いペナルティにつながる恐れもあります。
5.決算・確定申告の負担が爆発的に増え、節税チャンスも逃す
「決算の時にまとめて領収書を整理すればいい」と考えていると、期末に数か月分・1年分のレシートと格闘することになります。
時間が経つと使い道を思い出せず、経費にできるはずのものを諦めて計上漏れを起こし、結果として払わなくてもいい税金を払うことにもつながります。
まとめ:今日から始める「手元現金の見える化」
「現金出納帳をつける」ということは、単なる面倒な事務作業ではありません。
会社のお金の漏れを止め、社長の信用を守り、資金繰り難を防ぐための「防壁」です。
単に入出金をメモするだけでなく、「毎日、実際の現金有り高と帳簿残高を一致させること」が何より重要です。
特に現金商売をされている経営者の方は、まずは「1日の終わりに手元現金を数え、出納帳の残高と一致させる」という基本の徹底から始めてみてくださいね。
日々の小さな記録の積み重ねが、会社の資金繰りを安定させ、銀行からも評価される強い経営体質を作る第一歩となります。
会社を守り、成長させる「資金繰りメールサポート」
私の「資金繰りメールサポート」は、単にお金の繰り回しをアドバイスするだけのサポートではありません。
一時的な資金繰りの改善にとどまらず、「経営のやり方を根本から見直し、原理原則に基づいて会社を守り、成長させるために何をすべきか」を総合的にサポートしています。
経営者としてやらなければならないこと、会社を正しく管理・運営するための基本を、日々メールを通じてアドバイスしています。
「自社の管理体制や経営のやり方を根本から見直したい」 「会社を守り、さらに成長させるための原理原則を身につけたい」
とお考えの経営者の方は、ぜひご相談くださいね。
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」
資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、
強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、
絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
【孤独な決断に、確信を】
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