Blogブログ【攻めの経営者必見】借入で失敗しない!資金調達時に絶対に確認すべき「身の丈返済能力」の見極め方
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こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
事業の拡大や新規投資など、次の一手を打つための「資金調達」。
事業をぐんぐん成長させるパワフルな「攻めの社長」にとって、銀行融資を活用してレバレッジをかけるのは非常に有効な手段ですよね。
ですが、勢い任せの借入は、時に会社の足元をすくう大きな要因にもなり得ます。
真の「攻めの経営」とは、ただリスクを取ることではありません。
攻めるからこそ、資金調達のタイミングで「自社に本当の返済能力があるのか(身の丈に合っているか)」を冷静に見極める必要があります。
今回は、攻め社長が借入時に絶対に確認しておくべき2つの重要指標と、身の丈以上の借入をした際に知っておくべき現実についてお話しします。
銀行が貸してくれる額=返せる額ではない
まず大前提として知っておいていただきたいのは、「銀行が融資してくれた金額」と「自社が無理なく返していける金額」はイコールではないということです。
銀行がOKを出したからといって、「これだけ借りても大丈夫だ!」と過信してしまうのは非常に危険です。
自社の「身の丈」に合った返済能力があるかどうかは、社長自身が以下の2つの観点から確認しなければなりません。
観点1:損益計算書(P/L)の「経常利益」から弾き出す返済能力
まずは、会社が本業の活動を通じて1年間でどれだけの返済原資を生み出せているかを計算します。
基本となる計算式はこちらです。
年間返済原資 = 経常利益 + 減価償却費 - 法人税等
・経常利益: 会社が「自力でいくら稼いだか」を示す数字
・減価償却費: 帳簿上は費用ですが、実際には現金が出ていかないため手元に残る資金
【具体例で考えてみましょう!】
例えば、年間の元金返済が「1,200万円(月100万円)」ある会社を例に挙げてみます。
一見すると利益もしっかり出ていて順調に見えるA社。
実際の返済能力はどうでしょうか?
・経常利益:1,000万円
・減価償却費:200万円
・法人税等:300万円
この条件で、さきほどの計算式に当てはめてみます。
年間返済原資 = 1,000万円 + 200万円 - 300万円 = 900万円
計算してみると、この会社が1年間で自力で生み出せる返済原資は「900万円」です。
しかし、年間で返さなければいけない借入金は「1,200万円」。
つまり、年間で「300万円」も返済能力が不足していることになります。
「経常利益1,000万円出ているから大丈夫!」と思っていても、税金を払い、実際の返済額と突き合わせると、実は今の稼ぎだけでは返済が追いついていない(=身の丈を超えている)という事実が浮かび上がってくるのです。
観点2:資金繰り表の「経常収支」で見る実際のキャッシュ創出力
次に、必ずチェックしてほしいのが「資金繰り表」の経常収支(営業収入 - 営業支出)です。
損益計算書でどれだけ利益が出ていても、それはあくまで会計上の計算に過ぎません。
「売掛金の回収が遅れている」「在庫を抱えすぎている」といった状態では、帳簿上の利益とお金の実態がズレてしまいます。
【ここが陥りがちな落とし穴!具体例で解説】
「うちの資金繰り表は、経常収支がプラスだから大丈夫!」と思っていませんか?
実はここにも大きな罠があります。
例えば、以下のようなB社があったとします。
・経常収支(年間の営業キャッシュ流入):+600万円
・年間の借入元金返済額:1,200万円
確かに経常収支は「+600万円」とプラスなので、本業でお金を生み出せてはいます。
しかし、返さなければいけない元金は「1,200万円」です。
差引きすると、年間で600万円もキャッシュが足りません。
この足りない600万円はどこから支払われているかというと、自社が本業で生み出したキャッシュではなく、過去の蓄積や融資で借りた「手元残高(キャッシュ)」を取り崩して返済しているということになります。
つまり、経常収支がプラスであっても、「経常収支 > 元金返済額」という関係が成り立っていなければ、手元のキャッシュは毎月じわじわと削られていくのです。
「利益(P/L)」と「現金(資金繰り表の経常収支)」の両面で、返済額を上回るキャッシュを生み出せているか。
これが本当の「身の丈」の確認です。
身の丈以上の借入をするなら「覚悟」と「認識」を持て
もちろん、勝負どころで「あえて身の丈以上の資金調達をして一気に攻める」という決断が必要なフェーズもあるでしょう。
私はそれ自体を否定するつもりはありません。
ただし、その挑戦をするなら「いま自分は身の丈以上のリスクを背負っている」という事実を100%認識した上で借りることが大原則です。
攻め社長が陥りがちなのが、融資実行直後の「錯覚」です。
一時的に増えた口座残高は「実力」ではない
身の丈以上の借入に成功すると、会社の銀行口座には大きなお金が振り込まれます。
すると、「我が社にはこんなに資金力がある」「これで何でもできる」と錯覚してしまいがちです。
ですが、当たり前ですがそのお金は「利益で稼いだお金」ではなく「将来返さなければならない借金」です。
返済能力を超えた金は、徐々に目減りしていく
返済能力(経常利益・経常収支)が追いついていない状態で大きなお金を借りると、次のような現象が必ず起こります。
1.融資実行で、一時的に手元残高が大きく増える
2.毎月の返済額が、毎月自力で生み出すキャッシュ(経常収支)をオーバーする
3.不足した返済分が、手元の残高から毎月削られていく
4.「増えたはずの現金」が、時間の経過とともに徐々に目減りしていく
攻めの投資が利益を生むまでに時間がかかると、手元残高の目減りにブレーキがかからなくなり、気づいた時には選択肢が狭まってしまいます。
まとめ:攻めるからこそ「確固たる守り」を固めよう
会社を次のステージへ引き上げようと、リスクを取って前へ進む社長の熱い情熱や挑戦心。
私は心からリスペクトしていますし、どんどん攻めていってほしいと思っています!
だからこそ、お伝えしたいのです。
ビジネスにおいて本当に強いのは「攻めるべきところは果敢に攻め、守るべきところは盤石に守る」というバランス感覚を持った経営者です。
・損益計算書の「経常利益+減価償却費」で返済原資を割り出す
・資金繰り表の「経常収支」が「元金返済額」を上回っているか確認する
・能力以上の借入をする際はリスクを100%認識し、残高の目減りを管理する
事業を大きく飛躍させるための「大きな攻め(投資)」を成功させる鍵は、足元の「確固たる守り(資金の把握)」にあります。
リスクを恐れて足踏みをする必要はありません。
ですが、リスクを正しく把握し、コントロールした上で、自信を持ってアクセルを踏み込んでいきましょう!
あなたの会社が「攻めと守り」のバランスを保ちながら、ますます飛躍していくことを応援しています!
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」
資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、
強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、
絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
【孤独な決断に、確信を】
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