Blogブログ売上は絶好調なのに、なぜかお金がない?「攻め社長」が見落としがちな2つの盲点
- 資金繰り
- 経営改善
- 辻朋子のブログ
- お知らせ
こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
私のところには、日々、経営者の方からさまざまなご相談が届きます。
そのなかでも、特にバイタリティがあって素晴らしい成果を出されているのが、いわゆる「攻め社長」の皆さんです。
「事業をどんどん拡大したい!」
「売上を伸ばして、もっと会社を大きくしたい!」
そんな熱い情熱を持って走り続け、実際に売上をグイグイ伸ばし、利益もしっかり出している。
一見すると、誰もが羨むような絶好調の会社に見えます。
…ですが、実はそんな「攻め社長」から、こんな悲鳴にも似たご相談をいただくことが非常に多いのです。
「辻さん、売上も増えて利益も出ているはずなのに、なぜか資金繰りがずっと苦しいんです…」
利益が出ているのにお金がない。
一体なぜ、このような現象が起きてしまうのでしょうか?
実は、売上を伸ばすことに全力投球している攻め社長の会社では、資金繰りを悪化させる「2つの見落としがちなポイント」があるケースが非常に多いのです。
そこで今回は、売上が急成長している会社によくみる盲点をご紹介します。
1.「売掛金」の膨張(売ったけれど、お金が入っていない)
売上が伸びているということは、それだけ多くの取引をしているということです。
しかし、ここで落とし穴になるのが「売掛金(未回収のお金)」です。
売上データの上では数字が大きくなっていても、現金として手元に入ってくるまでは、まだ「お金」ではありません。
攻め社長の会社では、知らず知らずのうちに次のような状態に陥っていないでしょうか?
・回収までしっかり見届けていない(売上を立てて満足してしまっている)
・新規取引先の回収サイトが長くなっている(売上を優先するあまり、不利な支払条件を受け入れてしまっている)
・回収が遅れている取引先を放置している(「忙しいから」「言いにくいから」と後回しになっている)
「売上」という数字ばかりを追いかけて、「現金として回収するまでが商売」という視点が抜けてしまうと、口座の残高は一向に増えません。
2.「在庫」の膨張(現金が形を変えて倉庫に眠っている)
もうひとつの大きな要因が「在庫」です。
「売上をもっと増やすぞ!」と気合が入っているとき、人間はどうしても強気になります。
「欠品を出して機会損失をつくりたくない」という想いから、これまで以上にドカンと仕入れてしまうのです。
ですが、ここでちょっと立ち止まって考えてみてください。
私は35年以上、経営者のすぐ傍でさまざまな会社を見てきましたが、「欠品による機会損失」で潰れた会社を見たことがありません。
一方、「在庫の膨張」によって資金が底をつき、潰れてしまった会社はけっこう知っています。
在庫というのは、言ってみれば「現金が形を変えて倉庫に眠っている状態」に過ぎません。
売れずに倉庫に眠っている間は、何の役にも立ちません。
それどころか、倉庫に置いてあるうちに型落ちや劣化が進み、最終的に処分するしかない「不良在庫」になってしまうケースはよくある話です。
売上を伸ばすために仕入れたものが、現金にならないどころか価値のないゴミに変わってしまう。
これこそまさに本末転倒ですよね。
知らず知らずのうちに過剰な仕入れをしていないか、今一度チェックする必要があります。
3.「先行する支払い」も増える!ダブルで押し寄せる資金圧迫
売掛金と在庫が増えるだけでも大きな痛手ですが、事業規模や取引数が拡大すると、もうひとつ気をつけなければならないことがあります。
それは、「売上(入金)に先立って出ていく支払い」も一気に膨らむということです。
仕入れの支払いはもちろん、取引が増えれば外注費や人件費、運送費などの経費も先行して支払わなければなりません。
・入金は遅れる(売掛金・在庫の膨張)
・出金は先に来る(先行する支払いの膨張)
つまり、「入ってこないのに出ていく」というダブルのパンチが会社を襲うのです。
これこそが、売上も利益も出ている攻め社長の会社が「なぜかお金がない…」と苦しむ最大の原因です。
4.今すぐ取り組みたい「2つの管理」の徹底
売上を伸ばすパワーは、経営者にとって素晴らしい才能であり武器です。
しかし、そのパワーが強すぎると、足元の「キャッシュの管理」が置き去りになり、最悪の場合は「黒字倒産」という悲劇を招きかねません。
今、もし「売上はあるのにお金がない」と感じているなら、次の2つの徹底から始めてみてください。
① 売掛金管理の徹底
・入金予定日にきちんとお金が入っているか回収まで見届ける
・新しい取引先とは、回収サイトが長くなっていないか確認する
・回収が遅れている取引先がないかチェックし、遅れている場合はすぐにアプローチする
② 在庫管理の徹底
見攻め社長はとにかく忙しく、自ら現場に入って毎月ひとつひとつ数を数える「実地棚卸」まで行うのは難しいかもしれません。
ですが、せめて毎月末の「帳簿棚卸」だけはしっかりと確認してください。
・毎月末に帳簿棚卸のデータ(数字)を必ず確認する
・前月、前々月と比べて「在庫が増えていないか」の推移(増減)を必ず追う
・売上を増やすことばかりに目が向いて、これまで以上に仕入れすぎていないか見直す
・動いていない「不良在庫」がないか把握する
ここで絶対に覚えておいていただきたいのは、「在庫が増えれば増えるほど、資金繰りは厳しくなる」ということです。
最後に
ビジネスは「売上を伸ばして終わり」ではありません。
「売上を立て、しっかり回収し、無駄な在庫を持たずに現金に変える」
この一連の循環がスムーズに回って初めて、会社は真の意味で強く、安全になります。
せっかく伸ばした売上と利益です。
それをしっかり「会社の体力(現金)」として手元に残していくためにも、売掛金と在庫の膨張にはくれぐれも注意しながら、これからもガンガン攻めていきましょう!
▶攻め社長を裏でこっそりサポートする「資金繰りメールサポート」の詳細はこちらです
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」
資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、
強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、
絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
【孤独な決断に、確信を】
社長の「壁打ち相手」として伴走する、完全個別メールサポートの詳細は下記よりご確認いただけます。
Contactお問い合わせ
サービスに関するご質問などお気軽にお問い合わせください。
営業時間 平日9:00~16:00


