Blogブログ在庫を反映していない月次決算書で経営するリスク|「攻め社長」こそ毎月の帳簿棚卸が必要な理由
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こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
毎月の棚卸し(在庫金額)を反映させていない月次決算書の利益は、正しくありません。
「毎月しっかり黒字が出ているはずなのに、なぜか手元のお金が増えない…」
とお悩みの経営者は、在庫の増減が月次算定から抜け落ちている可能性があります。
今回は、なぜ在庫を反映しないと月次利益がズレてしまうのか、その仕組みと、会社と資金を守るために攻め社長が今すぐ取り組むべきアクションを整理してお伝えします。
1.なぜ在庫を反映しないと、月次の利益が正しく計算できないのか?
そもそも会社の利益は「売上 − 売上原価 − 経費」で計算されます。
このうち「売上原価」を出すための計算式は以下の通りです。
【売上原価 = 期首(月初)の在庫 + 今月の仕入高 − 期末(月末)の在庫】
つまり、今月いくら在庫が残っているか(月末の在庫額)を引かなければ、正しい売上原価は確定せず、正確な利益も計算できません。
もし月末の在庫額を計算に入れず、期首の在庫額のまま放置していたらどうなるでしょうか?
・仕入れた分がすべて原価(費用)になってしまい、本当は利益が出ているのに赤字に見える
・逆に在庫がどんどん増えているのに反映されず、実際は赤字なのに表面上は黒字に見える
このように、在庫変動を無視した月次決算書は「仮の数字」に過ぎず、正確な現状把握や経営判断の材料にはなり得ません。
※補足説明
毎月末の在庫金額にほとんど変動がない場合は、月次に月末の在庫を反映させなくてもあまり利益はズレません。
しかし、仕入れ量や売上が月によって変動する会社や、事業拡大中で在庫が増えやすい「攻めの経営」をしている会社では、在庫のブレがそのまま利益のズレに直結するため注意が必要です。
2.毎月在庫を確認しないメリット・デメリット
「毎月の在庫計算を行わない」場合、どのような影響があるのかメリットとデメリットを整理してみましょう。
◆ メリット
・作業負担の軽減:毎月の在庫集計にかかる時間と人件費を削減できる。
・業務の簡素化:期末の年1回の実地棚卸しだけで済むため、日常業務のハードルが下がる。
◆ デメリット
・不正確な経営判断:実態と異なる利益をもとに判断するため、無自覚な赤字や資金不足に陥る。
・「勘定合って銭足らず」の発生:利益が出ているように見えても、お金がすべて在庫に変わって手元に残らない。
・デッドストックの放置:不良在庫や滞留在庫の発見が遅れ、保管スペースや管理コストが無駄に増える。
3.月次は「帳簿棚卸」でOK!実地棚卸は決算時だけで十分
「毎月現場の手を止めて商品を1個ずつ数え直すなんて無理だ…」
と思われるかもしれません。
しかし、月次の段階ではわざわざ実地棚卸をする必要はありません。
「帳簿棚卸(管理表やシステム上の数字)」で十分です。
1円単位の厳密さを求めるのは年1回の決算(実地棚卸)で十分です。
月次の目的は「在庫が膨らんでいないか」「大まかな正しい利益が出ているか」という資金の流れと傾向をタイムリーに掴むことだからです。
4.攻め社長と税理士が今すぐ取り組むべき2つのアクション
特に事業を積極的に拡大しようとする「攻めの社長」は、機会損失を恐れて多めに仕入れたり、取扱品目を増やしたりするため、無意識のうちに在庫が膨らみやすい傾向があります。
「気がついた時には在庫が膨張し、資金繰りが厳しくなっている」という事態を防ぐために、以下の2点を徹底してください。
Action 1:毎月「帳簿棚卸」の数字を税理士に渡し、正しい月次を作ってもらう
毎月末の帳簿在庫の金額を速やかに税理士(会計事務所)に共有し、それを反映させた月次決算書を作成してもらいましょう。
ちなみに、在庫を持つビジネスだと分かっているのに、毎月の月次作成にあたって「今月の在庫金額はいくらですか?」と聞いてこない税理士は問題です。
経営に必要な正しい利益を計算する姿勢が欠けていると言わざるを得ません。
Action 2:攻め社長自身も、毎月末に「在庫が増えすぎていないか」を自分の目で確認する
税理士に丸投げするのではなく、社長自身も毎月末に帳簿在庫の推移を必ずチェックしてください。
在庫とは「姿を変えた現金」です。
現金が倉庫の棚で眠っている状態と同じですので、在庫の増減は手元のキャッシュに直結します。
つまり在庫が増えれば増えるほど、資金繰りは圧迫していきます。
まとめ:正しい数字で安全な成長を
攻めの経営を力強く推進し、会社を安全に成長させるためにも、毎月帳簿棚卸で在庫金額を管理し、正しくリアルな利益と資金の流れをコントロールする仕組みを作りましょう。
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【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」
資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、
強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、
絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
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