Blogブログ急成長企業ほど危ない!「黒字倒産」を引き起こす在庫と売掛金の落とし穴
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こんにちは。資金繰り本質改善コンサルタントの辻朋子です。
売上も会社も順調に伸びている時こそ注意が必要です。
なぜなら…
急成長企業にこそ「黒字倒産」のリスクが潜んでいるからです。
私は、中小企業をサポートして35年になりますが、その経験を通してわかったこと。
今回は急成長企業がハマりやすい「在庫」と「売掛金」の膨張と、融資ストップのリスク。
攻めの経営で社長が注意すべきポイントをお届けします。
参考にしていただけたら嬉しいです。
売上が倍々ゲームで伸び、スタッフが増えて組織も拡大している——。
経営者として最も手応えを感じ、事業の「攻め」に一番アクセルを踏み込んでいる時期です。
しかし、まさにこの「絶好調のタイミング」にこそ、思わぬ落とし穴が潜んでいるのです。
それが「黒字倒産」です。
決算書上はしっかり利益が出ていて、成長企業として評価されているにもかかわらず、ある日突然、会社の手元資金が底をついてしまう現象ですね。
私自身、これまで中小企業の経営の現場でお金と数字を見てきましたが、会社を急速に拡大させている時期ほど、この落とし穴にはまりそうになる会社を嫌というほど目にしてきました。
実は、これは決して珍しい話ではなく、攻めている会社ならどこにでも起こり得る構造的な問題なのです。
急拡大を狙う社長が今すぐ確認すべき「2つの資金繰り悪化要因」について解説しますね。
35年の現場経験で分かった「急成長企業の落とし穴」
なぜ利益が出ているのに「金がない」状態になるのか?
その答えは至ってシンプルで、「勘定合って銭足らず」の状態に陥っているからです。
会社の規模拡大を急速に追いかけるプロセスでは、売上増加に伴って「在庫」と「売掛金」の2つが同時に膨らんでいくケースが多く発生します。
私がこれまで見てきた現場でも、急成長企業が資金詰まりを起こす原因のほとんどが、この2つの同時膨張でした。
1.在庫(棚卸資産)の膨張
売上規模が大きくなれば、機会損失を防ぐために仕入れや在庫を増やさざるを得ません。
しかし、在庫はお金を払って購入した「現金が形を変えたもの」です。
売れるまでは1円の現金にもなりません。
仕入れ代金の支払いが先行し、手元の現金はどんどん削られていきます。
2.売掛金の膨張
売上が大きく伸びれば、それに比例して「回収前の売掛金」も急増します。
取引先からの入金が2ヶ月後、3ヶ月後という状況で売上が急拡大すると、「売上は立っているのに、手元に現金が入ってくるのはずっと先」というタイムラグが発生します。
この「仕入れ(現金アウト)」と「売掛回収(現金イン)」のズレが大きくなればなるほど、利益が出ているにもかかわらず、手元のキャッシュが空っぽになるという状態に陥ってしまうのです。
金融機関の「融資ストップ」が引き金になる
とはいっても「成長企業なら銀行からいくらでも借りられるのでは?」と思われるかもしれません。
確かに、売上も利益も伸びている企業に対して、金融機関は非常に好意的です。
資金ショートしそうになっても、追加融資(つなぎ融資)を引くことでこれまでは乗り切れてきたかもしれません。
しかし、本当の恐怖は「何かしらの理由で融資が止まった瞬間」に訪れます。
例えば・・・
・世界的な景気動向
・市場環境の変化
・業界全体のトラブルや法改正
・決算期をまたいだタイミングでの評価の見直し
万が一、このような外的要因、内部要因で銀行の融資判断が慎重になって。追加融資がストップしたとしたらどうでしょうか?
売掛金の回収よりも先に、買掛金の支払いや人件費、家賃の支払いが容赦なくやってきます。
頼みの綱だった融資という「外部の血(キャッシュ)」が止まった瞬間、膨らみきった在庫と売掛金を抱えたまま資金がショートする——
私が長年見てきた黒字倒産の現場も、まさにこのパターンでした。
攻めている時こそ、足元のキャッシュを見よう!
会社を大きく成長させようとアクセルを踏み込む姿勢は、経営者として凄いことです。
モチベーションも上がり、周囲からも称賛されて、気持ちも良いと思います。
しかし、車でもスピードを出せば出すほど、ブレーキのチェックや足回りのメンテナンスが不可欠になります。
(私は、車が大好きなので、車を比喩に使いました(笑))
これまでの経験から言えるのは…
「伸びている時ほど、数字(特に現金)の動きに敏感にならなければならない」
ということです。
事業の拡大期に社長がチェックすべきポイントとは?
・無駄な在庫が溜まっていないか、適正な在庫量が保たれているか確認する
・売掛金の回収サイクル(回収スパン)が伸びていないか確認する
・「損益計算書(PL)」上の利益だけでなく、手元の「現実のキャッシュ」の動きを追う
まとめ:最高の攻めは、強固な財務基盤から
会社が急成長している時ほど、経営者の視線は「次の売上」「次の事業展開」といった未来に向かいがちです。
ですが、急成長の波に乗っている今だからこそ、一度立ち止まって自社の「在庫」と「売掛金」の膨らみ具合をチェックしてみてください。
「利益は意見、キャッシュは事実」です。
攻めの経営を続けるためにも、足元のキャッシュを泥臭く守り抜き、持続可能な成長を目指していきましょう。
【著者プロフィール】
辻 朋子(つじ ともこ)
株式会社スマップス 代表取締役/資金繰り本質改善コンサルタント
35年以上にわたり1,000人を超える経営者の「生の声」と「経営の実態」に向き合ってきた現場のエキスパート。
売上が急拡大し利益が出ている会社でも「借入金があるから資金繰りが回っているだけ」という会社は非常に多いです。
そういう会社に対して「手元に残高があるうちに」「金融機関から融資が引っ張れるうちに」
資金繰りの本質改善を行うことを提唱しています。
そして、本業の収入の範囲内ですべての支払いと借入返済がまかなえる構造にして、
強い基盤をつくることをアドバイスしています。
「難しい経営数字がとにかくわかりやすい!」と好評のYouTubeも配信中。
経営者の「孤独な決断の答え合わせ相手(頼れる軍師)」として、独自メソッド「2つのバケツ理論」などを通じ、
絶対に黒字倒産させない「最強の守り」を固める伴走サポートを提供しています。
好きな言葉:事実は1つ。解釈は2つ。
数字とお金の不安から解放され、確信を持って「事業の成長と挑戦」を楽しめる社長を増やすことが私の使命。
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